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タコノマクラ Clypeaster japonicus Doederlei

棘皮(きょくひ)動物、ウニ鋼、タコノマクラ目、タコノマクラ亜目、タコノマクラ科


表面はびっしりと棘で覆われている。
花びらのような模様があり、一つの花びらだけ前端が開いている。
花びらの中心部分の小さな5つの孔が生殖孔で、腹面の中央の孔が口、端っこの孔が排泄孔。
口の部分にむかって5つの食溝が走っている。傷付いたり死んだりすると赤褐色から緑色に変わる。
大きさは約10cm程。低潮線〜水深50mまでの砂地に生息、
砂の上の海藻、微生物などを摂取。移動は極めてゆっくりだそう。

棘をきれいに取り除き漂白すると、美しい陶器のような白い肌と花びら模様がくっきりあらわれます。



タコノマクラという存在を知ったのは18才の時。 場所は北海道の長万部(おしゃまんべ)の浜辺でした。 ふと渡された白くてまあるい不思議な物体。 この真ん中にある花模様は‥な、なに?生きもの?貝殻? 名前はタコノマクラだと言われましたが、全く理解できませんでした。 生まれて初めて目にしたこのヘンテコな生きものの存在にわたしは強い衝撃を受けたのでした。 その後、図書館で図鑑などで調べていくうちに、タコノマクラはウニやヒトデの仲間で5放射の特徴を多くもつということ、そして形は似ているけどカシパンにもいろんな種類があるということを知りました。そして長万部で拾ってきたものは、どうやらタコノマクラではなくハスノハカシパンだということもわかりました。タコの枕だとか、ハスの葉菓子パンだとか、ブンブクチャガマだとか、おかしな名前ばかりつけられてしまう棘皮動物たち。地味な生態も興味深いのですが、なにより死んだあとの姿かたちに惹かれてしまいます。 アナザーワールドって身近なところにあるんだと開眼させてくれたタコノマクラ。 ヘンテコで不思議だけじゃない。毛穴が描く美しい曲線。放射状にひろがるイメージ。 単純な構造ながらも普遍の美しさをもっている、なんとも魅力的な生きものです。



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