タコノマクラという存在を知ったのは18才の時。 場所は北海道の長万部(おしゃまんべ)の浜辺でした。 ふと渡された白くてまあるい不思議な物体。 この真ん中にある花模様は‥な、なに?生きもの?貝殻? 名前はタコノマクラだと言われましたが、全く理解できませんでした。 生まれて初めて目にしたこのヘンテコな生きものの存在にわたしは強い衝撃を受けたのでした。 その後、図書館で図鑑などで調べていくうちに、タコノマクラはウニやヒトデの仲間で5放射の特徴を多くもつということ、そして形は似ているけどカシパンにもいろんな種類があるということを知りました。そして長万部で拾ってきたものは、どうやらタコノマクラではなくハスノハカシパンだということもわかりました。タコの枕だとか、ハスの葉菓子パンだとか、ブンブクチャガマだとか、おかしな名前ばかりつけられてしまう棘皮動物たち。地味な生態も興味深いのですが、なにより死んだあとの姿かたちに惹かれてしまいます。 アナザーワールドって身近なところにあるんだと開眼させてくれたタコノマクラ。 ヘンテコで不思議だけじゃない。毛穴が描く美しい曲線。放射状にひろがるイメージ。 単純な構造ながらも普遍の美しさをもっている、なんとも魅力的な生きものです。 |